● ジェネラリストへの道
看護師の仕事は、経験を積み重ねていくことで、組織内でキャリアアップしていく道もあります。
新人看護師として数年の経験を積んだ後、主任、看護師長、総看護師長、副院長または看護部長と、役割としてのキャリアアップもあります。
最近では組織的計画的にキャリアアップ育成プログラムを作成し実施している病院も増えてきました。キャリアアッププランや支援は各病院によって異なりますので、そういったキャリアアップに高い関心がある方は、院内に教育システムや研修制度、支援制度があるかについてもチェックすると良いでしょう。
年齢や経験値、意欲に応じて計画的に様々な技能や知識を高めるだけでなく、マネジメントやリーダー育成等についても広く学んでいくことができます。確実にステップアップすることができますので自信をもって看護を行うことができます。やりがいや生きがいを感じながら仕事を続けることができますし、院全体で質の高い看護を実践することができますから、無理に転職をすることなく長く安心して努めることができるでしょう。
看護師の中には、より専門的な分野について学んで実践を積み、スペシャリストの道を目指して努力する方もいます。どの分野で専門家になりたいのか、あるいはキャリアアップをしていきたいか、そういった将来の展望を持ちながら仕事をすると、チャンスが巡ってきたとき、大きく飛躍することができます。
医療の高度化と超高齢化社会になったことで寿命は延びましたが、さらに困難な事情を抱える患者も増えています。そういった患者さんのケアは専門知識がないと十分にケアできません。看護師の中にもより専門技術を身に着けたいと積極的に学び技術を高めている人が増えてきています。その様なスペシャリストを認可する制度として「認定看護師」「専門看護師」が続々と誕生し、全国で活躍し始めています。また、近年は認定看護師や専門看護師の資格を持った看護師を優遇している求人が増えてきています。年々医療が複雑になってきている今、看護師の資格以外にも、専門的な資格をもった看護師が求められているのでしょう。
● 認定看護師
認定看護師とは、ある特定の分野において熟練した看護技術と知識を持ち、水準の高い看護を実践できると認められた看護師のことです。
たとえば救急看護、がん緩和ケア、訪問看護、乳がん看護、小児看護等様々な分野があり、2011年度では21分野にまでなりました。今後もさらに増え続けていくことでしょう。
認定看護師になるには、看護師国家資格をもち、看護経験が5年以上あること、さらに特定の分野での実践経験が3年以上必要です。さらに「認定看護師の教育機関」で6か月以上、約615時間の学習が必要です。これらの条件をそろえたうえでやっと受験資格を得ることができます。
認定看護師の認定は日本看護師協会で行っています。認定看護師のための奨学金制度もあります。
● 専門看護師
専門看護師とは、ある特定の分野で実践・相談・倫理調整・教育研究の役割を果たすことができると認められた看護師のスペシャリストです。
認定看護師とよく似ていますが、自分自身がスペシャリストであるだけでなく、看護システム全体のマネジメントを行いながら調整・倫理調整・研究を行うことができる役割でもあります。
専門看護師になるには看護系大学修士課程修了者であることがひるようになります。そのうえで専門看護師教育課程基準の単位を取得していることが必要になります。実務経験については、5年以上の実務経験のうち3年以上は専門分野での実務であることが必要です。
専門看護師の分野としては、がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、家族支援等、2012年で11分野まで広がっています。
病院側でも「認定看護師」や「専門看護師」になりたいと努力する看護師を積極的に支援したり、資格者を積極的に採用する病院が増えています。
認定看護師や専門看護師がいることで、周りの看護師の啓発や指導も行うことで、病院全体において専門分野に関する看護の質を高めることができます。結果としてその病院の評価も高まるということでさらに認定看護師や専門看護師の需要は増え続けていくでしょう。
手始めとしては、生涯をかけて追及していきたい自分自身のテーマを探すことから始まります。目の前の患者さんや周囲の看護師さんとの触れ合いの中で気づいた疑問や問題点をそのままにせず、少し突っ込んで調べてみたり研究してみましょう。